2010年9月11日土曜日

仕事について

こんばんは。
今週、まだ一度もキャンプに行っておらず、
敷地内と界隈をうろちょろしてただけでした。
なんて閉鎖的。笑
本当は今日、同僚にくっついて行って
文字通り縦横無尽に駆け回る予定だったのですが
セキュリティの問題で行けませんでした。

閉鎖的と言えば、僕が高校一年だった時の部活の合宿の時のこと。
5泊6日で、宿と体育館はとても近い。歩いて2,3分。
なので毎日この超狭いエリアを行ったり来たりするだけ。
合宿が終わった帰りのバスで、今まで生活していたエリアから出た瞬間、
「ああ、今までこの狭いエリアから全く出ていなかったのだ」
と同じく久しぶりに聞いたiPodを楽しみながら感じたのをよく覚えています。
この時隣にいた親友も同じことをほぼ同時に感じて、
お互い共感しあってました。

ちなみに昨日、ラマダーンが終わったので今日は祝日らしいです。
ADEOは仕事してました。

さて、今日は、今日のことをさらりと振り返った後、
仕事について書きたいと思います。
他にもここに書けるようなことがまとまってきたので近いうちにアップします。


6時半起床。今日初めて6時間台に睡眠時間が突入。
午前中、建設現場見学行けず、オフィスでひたすらレポート書く。
13時40分ごろ、地元のユースに会うべく敷地内を移動。
しかしすっぽかされる。
その後、オフィスに戻りひたすらレポート書く。
19時過ぎ夜ごはん。
日記を書きつつブログを書きつつ今に至る。

レポートについては仕事のところで触れます。
ユース。もう何度も会って話を聞いているのですが、
今日は約束をすっぽかされた。
昨日約束を取り付けた時に、今日は祝日だからやめた方がいいんじゃないかと言ったのに。
明日16時に会うことに変更。
ユースは最後まで重要なので頼むから約束守って欲しい。。


仕事について。
Documentaiton Trainee Officerの肩書のもと、
host community(難民キャンプを受け入れている地元の村のこと)における
HIV感染者(PLWHA, People Living With HIV/AIDS)に対する差別の調査と
その後の活動の展開を担当しています。
(プラス、web掲載用の文章準備)
簡単に言うと、役職名はあまり意味がなくて、
host communityでのHIVの問題を分析してそれに対する解決策・改善案を提示する、
それを実践に移す、という3段階を仕事にしています。

日本にいた時は全くに近いほどHIVに触れていなかったのですが、
ここに来て、特に今日、HIVを仕事にできたことを良かったと思いました。
なぜなら、文系である自分が人の生死にダイレクトにつながる分野に
関われる数少ない機会だからです。
僕は本当は医者になりたかったのですが、
人には向き不向きがあって理系科目が超苦手でした。
苦手だから諦めるといのも嫌な話ですが、それは置いといて
医者になることを諦めたわけです。
でも今こうしてHIV/AIDSの予防や差別撲滅という活動に携われているのは
とても恵まれていると思います。
今挙げた理由以外にも、
refugeeではなくhost communityと関わる機会が増えた
といった理由でも今の仕事に就けて良かったと思ってるのですが、
これを書き始めると話が超大きくなるのでやめます。
とにかく今の仕事には充実感を感じています。
こんなことをリリーフランキーの『東京タワー』を読みつつ感じた今日この頃です。


以下、今までの仕事の過程です。
上司なるものは最初の2週間存在し、今は休暇3週間が過ぎてそろそろ帰ってくるはず、です。
本当は先週の土曜に帰ってくるはずだったのになぁーーーーーーーーーーー。
彼がいるうちは彼の仕事についていっていろんなものを見てました。
定例のinteragencyの会議や病院での活動、ドナーの視察同行など。
彼がいるうちから仕事は始まるようにサポートしてくれていたはずだったのですが、
今考えれば、彼の怠慢と自分の無力さ故に何も進みませんでした。
まあでも最初の2週間は他の同僚について行ったりして、
いろいろ見学して慣れて言った感じだったので
仕方なかったと今は割り切ってます。

で、上司がいなくなった後、代理の上司が入ったのですが、
住んでるところがとても離れている、かつ仕事の種類が若干違うことが原因であまり意味なし。

ということで自分で何もかもやらざるを得ず、
仕事に慣れるのにまた一週間くらい使いました。
自分でミーティングやらインタビューやらセッティングしていて、
最初は、情報を得て消化して次の得るべき情報を考えて、というサイクルに
全然はまれてなくて暗中模索な感じがかなりありました。
ユースグループとは地元の若者が20人くらい?集まって形成されている集団で
HIVの啓発やその他いろいろな活動をしています。
ユースにインタビューしている理由がわかったと思います。
彼らはほぼ唯一の啓発主体です。

8月の24日に初めてミーティングをして、
その後2週間は毎日1つかインタビューまたはミーティングして、
今は情報がかなり揃ったので、それをレポートにまとめているという段階です。
今週末に書き終えて上司に見せて、具体的な対策を同時に提示していくというイメージで来ています。


仕事の具体的な中身に関してですが、
ここのHIVの問題はかなり特殊だと思います。
①宗教、②社会、③文化
という3点で特殊です。
HIV感染率(prevalence of HIV)は0.07%です。
実際、この数値は明らかにおかしいんですが、とても低いことは事実です。

①住民の大半がイスラム教であること。
 イスラム教では婚外での性交を禁止しています。
 そのため、
 1) HIV感染の機会をとても少なくしている。
  つまり、低いHIV感染率を維持している大きな要因である。
 2) 一方でHIVに感染しているという事実はこのタブーを犯していることを
  人々に連想させるため、HIVは病気ではなく、禁忌を破った者への
  神からの呪いと考えられている。これがHIV感染者への激しい差別を招いている。
 3) コンドームを使用すると呪い,HIVが広がると大半の人々は思いこんでいる。
  これは、コンドームの使用が婚外での性交という禁忌を連想させるからだと考えられる。

②氏族社会であること。
 ソマリ族が住民の大半を占めており、
 ソマリ族は家族の他に氏族という単位を持つ。
 氏族とはいくつかの血縁?のある家族が集まってできた集団で
 氏族内での結束が強い。
 これがソマリ族の社会が閉鎖的であるという結果を招いている。
 そのため、上記の宗教的要因も重なって
 1) HIVが取り上げられにくい環境を作っている。 
  この閉鎖性(排他性?)がHIV感染者に対する差別を招くと同時に
  HIVのstatusを気軽にチェックできない環境を作りだしている。
 2) 閉鎖的な社会で、さらにHIVが忌避されているため
  HIV感染者は、感染している事実を他人と共有できる環境にない。
  これがHIV感染者に対する心的ケアや医学的ケアを妨げている。

③性器切除という伝統的慣習
 これはアフリカ全体で起こっている問題で、
 特にFGM (Female Genital Multilation), circumcisionという名称で
 問題にされている。
 皮肉にも、これが性交の機会を減らすことに貢献しているため
 低い感染率維持の一つの要因になっている。

これが今まで調べたことで、この他、啓発活動についても調べています。
それはまだまとめてないので今後、機会があれば書きます。

要点だけ述べると、
1, 厳格なイスラム教義が感染率の低さに貢献している一方、
 激しい差別も招いている。
 この誤解を解くことで、HIV感染者が有効なサポートを得られる
 環境を作るべき。
2, しかしHIVに対する認知度は上がってきているように、
 啓発活動の効果は上がってきているので、
 HIVに対してよりオープンな社会にするべく
 禁忌に触れない範囲で啓発を続けていくべき。

こんなことを今レポートに書いています。
以上、簡潔に仕事の説明でした。



今後、
「人をまとめる理念」
などといった観点で掲載していけたらと、思います。
ではでは。

0 件のコメント:

コメントを投稿